《あらすじ》
平和な国の、平和な日々。
とある道場。
稽古にいそしむ若者たちの中に、ひときわ背の高い少年がいた。
2メートルを超える身長にくわえ、非常にがっしりとした体格。
少年はその恵まれた体格のみならず、誰よりも稽古に打ち込んでいた。
誰よりも稽古が好きだった。
当然のごとく彼は強くなっていった。
もはやこの道場で、彼に敵う者は一人もいない。
強いだけではない。
繊細で誰にでも優しい彼は、みんなから愛された。
彼の名前は相葉隼介(あいばしゅんすけ)。
隼介は道場仲間とともに、目前にひかえた剣術大会にむけ鍛錬の日々を過ごしていた。
絵にかいたような青春の日々。
隼介たちは、青春を謳歌していた。
しかし・・・
一見 平和な国の、一見 平和な日々。
誰かが言った。
「国境付近に軍勢がおしよせて来てるらしい。」
誰かがいった。
「徴兵、15歳からになるかも知れないらしい。」
そして理由もよく分からぬまま、大人たちに言われるまま、
少年たちは国境付近におもむくこととなる。
そこで彼らを待っていたものは・・・
終わらない戦いの日々。
号泣し 嘔吐し のたうちまわり・・・
少年の精神は蝕まれ、しだいに正気を失っていく。
そんな中、唯一彼を支えていたのは 「思い出」 であった。
記憶の中の青春の日々。
それがかろうじて心のより所となっていた。
しかし、それももう限界。
崩壊は、すぐそこまで迫っていた・・・